2024年9月13日、14日の2日間、コンフォートQうめだ店にて『北欧の灯りに学ぶ座談会』が開催されました。
ルイスポールセン伊藤氏を迎え、セミナー、店内ツアー、座談会の3部構成で行われた当イベントは、照明にまつわる疑問から照明や住空間について気軽にお話をする、和気あいあいとした時間となりました。
当記事では、座談会にて取り上げられた内容の一部をご紹介いたします。
ルイスポールセンを語る上で外せないのがPHランプ。デンマークの建築家、ポール・ヘニングセンが1926年に完成させた3枚シェードの基本形は、コペンハーゲンで開かれた自動車ショーの展示ホールの照明として発表されました。
3枚シェードのランプは、ポール・ヘニングセンのイニシャルを取り「PHランプ」と呼ばれるようになります。その後様々なサイズとタイプで展開されていくPHランプですが、今では4枚シェードの "PH 5" が 「世界で一番購入されているダイニングランプ」としても有名です。
ヘニングセンにとってシェードは装飾ではなく、光を受けて反射するという役割を持ったパーツ。"PH 5" のシェードの曲線には、対数螺旋というカーブが用いられています。
元は公共用の照明として開発されたPHランプ。ヘニングセンは、光の反射の原理を照明に落とし込み、計算しつくされた斜めからの光で「対象物を美しく照らす」という照明にとって何よりも大切な要素を持ったランプを作り上げたのです。
照明によって得られる視覚効果は大きく、照明が消えている状態では平面的に感じる部屋の雰囲気が、照明を点けることによって立体的に奥行を感じられる空間となります。
シェードへの光の反射によって、下方の対象物をしっかりと照らすように作られている "PH 5"。陽の光が入る時間帯でも、テーブル上に光が集まっていることが分かります。
ペンダント照明 "ラジオハウス" の低所吊りが印象的な入口。フロアランプの様な使い方のペンダント照明は、脚が無い分軽やかに感じられます。
和室にも合うのがルイスポールセンの照明。コーナー部分に照明を配置することによって、夜にはグレアフリーの柔らかな光が空間を広く照らします。
空間の奥行を出すためには、明るい場所と暗い場所のメリハリを作ることが大切です。スタンド照明などは、比較的お部屋に取り入れやすいアイテムです。
質疑応答の際には日本ならではの質問も。地震が心配だがおすすめのペンダントランプがあればとのことで、ポリ塩化ビニルでできた軽いペンダントランプ "パテラ" シリーズが挙がりました。
日本の住宅は天井が低いことも多く、その場合は "パテラ" を平たくしたデザインの "パテラ オーバル" がおすすめです。
大切なのはお部屋の中に光の溜まり場を沢山作ること。この「光溜まり」によって、居心地の良い空間が生まれます。
『北欧の灯りを学ぶ座談会』は、照明セミナーから、店頭にて展示中のルイスポールセンの商品を実際に見て回るツアーなど、合間に設けられた質疑応答の時間以外にも、店内に展示しているルイスポールセンの照明を実際に見て、触りながらお話しを聞くことができるスペシャルな時間となりました。
"PH5" の新色の登場も発表されましたので、こちらはまた別の記事でご紹介できればと思います。
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