1982年、「LOGO Table lamp」はデザインされました。 これはのちに、その名のとおり〈アルマーニ / カーザ〉のロゴマークとなりますが、もともとは自身のオフィスのためにアルマーニ氏が初めて手掛けたインテリアアイテムでした。 至極シンプルなこのランプ。実際に見てみると、その大きな四角錐のシェードからは優しい光がこぼれます。 この光の見え方に、アルマーニ氏のこだわりが詰まっているのです。
アルマーニ / カーザはこのロゴランプからスタートした。
その後、2000年に家具やホームアクセサリーなど展開するインテリアホームコレクション〈アルマーニ / カーザ〉はスタートしました。 ブランドフィロソフィーである「Fashion」「Orient」「Nature」。 これらがそこかしこに垣間見える家具は、アールデコの華やかさを基調としながらもどこか優しさを感じます。
家が洋服をまとうように。
洋服だけではなくアクセサリーや靴まで、Top to Toeのコーディネートができるよう、〈アルマーニ / カーザ〉には驚くほど豊富なインテリアアクセサリーが揃っています。これもアルマーニ氏の強いこだわりのひとつ。 例えば壁紙。インテリアにおいて大きな面積を占める壁紙は、トータルコーディネートをする上では外せない存在です。 Armani Prive(オートクチュールコレクション)のドレスと同じ柄のものや、シルクやリネンで作られたものなど、随所にアルマーニの世界観が表現されています。
インテリアに重要な3要素、床・壁・天井。なかでも面積が広くインテリアの印象を大きく左右するのが壁紙だ。アルマーニ / カーザでは質感・柄・色調とこだわりのラインアップを揃えている。
アルマーニの家具にはオリエンタルなテイストを思わせる素材やデザインを多く見かけます。
着物の帯を思わせる織りのファブリックや格子型のテーブル脚、竹をモチーフにしたステムのランプなど、それは枚挙にいとまがないほど。
私たちがアルマーニ / カーザの家具にどこか優しさを感じるのは、このおかげかもしれません。
持ち手が竹モチーフのランタン照明「ピクニック」。持ち手だけではなく、格子デザインのフレームからもオリエンタルな要素が伺える。光源はアラバスターと呼ばれる白くなめらかな石に包まれ、柔らかい光を演出する。
アルマーニ / カーザの家具を見ていると、石を使ったアイテムの多さに気づきます。
石だけではなく、藁(わら)やリネン、漆喰にもちろんウッドと、自然素材が随所に取り入れられています。
とはいえ、自然素材にありがちな「ほっこり」とした仕上がりにならないのがアルマーニ流。
アルマーニ氏が好むイタリアンモダンをベースに、これらの素材をデザインとしてはめ込むことで、さらにコンテンポラリーな雰囲気を醸し出しています。
エメラルドクオーツの端材をデザインに取り入れたサイドテーブル「プーロ」。すべて石目の出方がバラバラで一点ものだ。
3つのフィロソフィーとともに大切にしているのが「クラフツマンシップ」。
アルマーニ / カーザのラインナップには、アルマーニ氏が守りたいと願う職人の技があります。
例えば藁をもちいた象嵌細工。継承者が限られており、希少性の高い技術です。それを再興した職人とタッグを組み、アルマーニ/ カーザの美しい家具としてよみがえりました。
藁象嵌が印象的なサイドテーブル。 あまりの複雑さ故、一度廃れてしまった。
また、ムラーノガラスもアルマーニ氏が多く取り入れる伝統工芸品の一つ。
紀元前4000年前から始まったといわれるムラーノガラスは、ベネチアンガラスの職人がイタリア・ムラーノ島に集まりそこで生産されていることからそう呼ばれています。
古代ローマ、ビザンツ帝国、東ローマ帝国、そしてオスマン帝国と、歴史に翻弄されたこの技術は、その時々のニーズにこたえながら進化し、美しく昇華していきます。
コンテンポラリーな家具では珍しい螺鈿細工を取り入れたネストテーブル「ガラッシア」。螺鈿細工も伝統工芸のひとつ。貝殻の自然な風合いを生かした装飾は、シンプルなデザインで上質さと洗練さが際立つ。
このように、アルマーニ / カーザは、一見するとトレードオフの関係のように見えるテーマを見事に取り入れ、華やかでラグジュアリーでありながらやさしさを感じる、そんなデザインを作り続けています。
一度見ると虜になる、そんな独特の感性は、家の中と外を明確に分けるとともに家への没入感を味わわせてくれることでしょう。
ARMANI / CASA
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アルマーニ / カーザの家具でつくる極上の日常 目次(全3回)