2回にわたりご紹介してきたお手入れ方法。いよいよ実際にお手入れをしていきます。
実践編も飛騨産業の佐藤さんにご協力いただきました。
なんと今回、佐藤さんがご自宅で使っているスツールをお持ちいただき、実際にお試しさせてもらいました。
佐藤さん自前の飛騨産業“Milk Stool”。
玄関先で靴磨きに使っているとのこと。
今回はわかりやすくするため、わざと汚れをつけてもらいました。
まずは準備から。
①換気
飛騨産業で販売されているメンテナンス用オイルは天然の植物性原料をメインに使っていますが、揮発性であることに加え、少しにおいがある為、しっかりと換気をしながら作業をしてください。
②やすりがけ
汚れや傷が付着した箇所を木目に沿って紙やすりで軽く磨きます。
その際、特定の箇所だけやすりがけしてしまうと凹んでしまうので、目的の箇所の周りまでまんべんなく磨くのがポイントです。
汚れがなかなか落ちない場合、先に少し粗めの紙やすりで磨き、そのあと仕上げ用の紙やすりで磨くときれいに仕上がります。
このとき木目に逆らってやすりをかけると傷になるのでご注意ください。
付属の紙やすりでも十分だが、広範囲にやすりをかける場合は、右のような当て木付きタイプがおすすめ。力を均一にかけることができる。
木目に沿わずやすりをかけた状態。
細かな小傷がたくさんできてしまっている。手触りもよくない。
③拭き取り
紙やすりをかけたあとは木の粉がたまっています。
乾いた布で取り除いてください。
まんべんなくやすりをかけると、結構な量の木の粉がでてくる。室内で作業するときは、ビニールや新聞紙などを下にひくと便利。
粉を取り除くと、木の内部、白くきれいな部分が見えてくる。このままだと傷みやすいため、メンテナンスを施していく。
④オイル塗布
乾いた布(ウエス)や刷毛にオイルを染み込ませ、伸ばすようにまんべんなく塗っていきます。一度に大量のオイルを塗ると乾きにくくなるので、薄く重ね塗りをするように仕上げていきます。
一度に塗布する量はこれくらい。
薄くを重ねる、これを繰り返すのがコツ。
白くむき出しだった木地にオイルが染み込んでいく。
*オイルを染み込ませた布や刷毛は、放置すると自然発火する恐れがあります。
使用後は必ず水につけて破棄してください。
⑤乾燥
オイルを薄く何度か塗り重ねたあと、表面に残った余分なオイルを乾いた布でふき取ってください。その後、12時間ほど乾燥させてください。
⑥仕上げ
最後に蜜蝋ワックスをウエスにつけて、少しずつ塗布していきます。
これも付けすぎるとベタ付きの原因になるので、薄く重ね塗りしてください。
そのあと乾拭きして乾燥させます。
ワックスの乾燥は、オイルと違い、べたつきがなくなったらOKです。
ワックスも一度で大量に塗布するとべたつくため、薄く重ねていく。
向かって左側に、きれいなツヤがみてとれる。
触り心地は手に吸い付くよう。
今回は小さなアイテムだったとはいえ、かかった時間は約15分。(オイルの乾燥時間は含めていません)
意外と早いですよね。
なにより、メンテナンスを行った後の木の表面のなめらかなこと!
ツルツルすべすべで、ずっとなでていたくなるような触り心地です。
これならお子様と一緒に、はたまた休日の気分転換に、やってみようという気になりませんか?
吟味を重ねて選んだ家具。メンテナンスをしながら長く素敵に愛用していきたいですね。
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木製家具のお手入れコラム 目次(全3回)