2025.03.11
2025年2月19日から24日までの6日間、阪急うめだ本店9階にあるうめだギャラリーにて『自分らしくインテリアを楽しむアイデア展 雑誌 モダンリビング×コンフォートQ』を開催しました。
1951年創刊のハイエンド向け住宅雑誌『モダンリビング』とインテリアショップ「コンフォートQ」が、8つの空間をコーディネート。来場者数は1千人を超え、快適で自分らしい居住空間を多彩なアイデアで提案したこのイベントは、大盛況の中、幕を閉じました。
特集記事では2回に分けてその様子をリポートします。
モダンリビング編集長 高坂敦信氏 メッセージ
日本のインテリアは未だに発展途上中、まだまだ楽しめる余地ありー。23年間、私がモダンリビング編集部に在籍し、取材を通じて300軒以上の住宅を実際に経験した現時点での感想です。
ファッションや食のジャンルのように、自分の好みを理解し、それを楽しむレベルまでには至っていないということ。皆さん一人ひとりが備えている豊かな感性をインテリアのジャンルで活かし切っていないのではないでしょうか?
"住まいに合わせてお気に入りの家具を購入し、小物も少し買い足して暮らす"では足りないということです。
今回、阪急百貨店のインテリアショップである「コンフォートQ」とコラボレートし、『モダンリビング』のインテリア特集のリアル版として8つのシーンをコーディネートしています。各シーンに誌面同様の解説文を私が書きました。この展示が皆さん一人ひとりの豊かな感性をインテリアに映す"自分らしくインテリアを楽しむアイデア"になれば幸いです。
解説①
コンソールテーブルは“自分らしさを表現する舞台”
コンソールテーブルはコーディネートの起点。玄関扉を開けて目に飛び込んでくる位置に、コンソールを置いてお気に入りのアートを掛け、小物を置くことでインテリアに個性が生まれます。この展示はさらにインパクトのある長椅子を追加した贅沢な玄関。目に留まりやすいコーナーなので、クオリティの高いアイテムを厳選すべきでしょう。
テーブル:816 PA' 1947
玄関を想定した、すぐにでも実践可能なこのシーン。カッシーナのコンソールテーブルを中心として、壁面アートを少し左寄せに、コンソール上の置物を右に寄せることでバランスを取っています。この配置は好み次第ですが、“置くものは3つまで”などルールを決めて雑多にならないように注意したいところです。
サイドテーブル(手前):INOUT41 / (奥):INOUT43 / フロアライト:FLOOR LAMP MODEL 351
展示のスタートを彩った、細やかな刺繍のカバーが美しい20周年記念の特別版ゴーストソファ。同ブランドのサイドテーブルが脇を固めました。
解説②
オープン棚を“ギャラリーにする”3つのテクニック
オープン棚はお気に入りのものを集めたギャラリーになります。その答えの一例を示しました。ポイントはいくつかあって、①煩雑に見えないようにものを置きすぎずに余白をつける ②上段は軽やかに、下段はボリューム感をもたせて安定感を ③多様な飾り方ができるハードカバーのヴィジュアルブックを活用。そして、この棚のように“見せる”と”隠す”のメリハリをつけられると実用性も高く理想的です。
商品詳細:キャビネット:BM0253 SHELVING SYSTEM / ポータブルライト:PANTHELLA 160 PORTABLE V3
解説③
玄関は通り過ぎる場所ではなく“ディスプレイの場所”
玄関は住まい全体のインテリアを象徴する役割を担っています。壁の色を変えたり、アートを掛けたり、自分らしさを積極的に取り入れてギャラリーのように設える努力を。ここではヒントになる3つの事例を示しました。「玄関が狭くて…」という方でも、アートやラグ、色壁であれば動線の妨げにならず取り入れられるはずです。
ラグ:ROGOBA KILIM
チェア:051 CAPITOL COMPLEX OFFICE CHAIR / スツール:INOUT48
ジャンヌレのチェアと陶器製スツールの組み合わせ。壁は英国のペイントブランド「ファロー アンド ボール」の水性塗料を採用しています。チェアでもスツールでも、靴を履くときに座れたり、荷物を置けたりする場所があればスマートな玄関になります。
コートハンガーにフック型の照明を灯して、暗くなりがちなマンションのエントランスを明るくするアイデア。ミラーやスツールも、玄関からリビングルームに行くまでの場所を楽しくさせる特徴的なデザインです。
コートハンガー:ROSETPASSE-PASSE / ライト:MAYDAY / スツール:BOLLA 12 / ミラー:BRICK 97
解説④
座るのではなく、“壁際に置いて飾る”という椅子の使い方
椅子は家具のなかでもキャラクターが強いアイテム。選んだものに自分らしさが表れやすいものでもあります。そこで壁際に置いて“飾る”という提案。ここで提案している4つの例で伝えたかったのは“コーディネートを楽しんでほしい”ということ。壁の色も壁紙もアートも膨大な選択肢があり、組み合わせによって印象が変わるので、自分らしさの表現にじっくりと向き合うことができます。
左から:STANDARD / 01 CHAIR / BRICK 23 / STAY DINING CHAIR
チェアを座るものとしてでなく、自分を象徴するディスプレイとして使用した4つの事例。壁面やアートとコーディネートすることで自分だけの特別なコーナーが出来上がります。
解説⑤
75×35㎝のスペースで趣味を小さく楽しむ
キャラクターグッズ、アクセサリー、旅の思い出の品々…。収集したお気に入りのものは、LDKではサイズやデザインのバランスがとれず飾りにくいことも。そこでお勧めしたいのがコンパクトなガラスの収納スペース。上から見たときの美しさに配慮しながらまとめて飾ると、お気に入りのものがさらに素敵になります。
キャビネット(手前):HALLER キャビネット(奥):REVOLVING CABINET
上段がガラスパネルのUSMハラーは大切なコレクションのディスプレイにぴったり。奥の倉俣史朗デザインの赤いキャビネットが目を惹きます。
区切られた3つのガラスケースでは、それぞれ違うコレクションテーマでスタイリングされました。ジュエリー、器、旅、ミニカー、植物、…自分なら何を飾ろうか、思わず想像が膨らみます。
解説⑥
観葉植物は樹形よりも“高低差とボリューム感”で演出する
観葉植物はインテリアに欠かせないアイテム。樹形の美しさにこだわる人も多いのですが、植物は置かれる環境によって樹形が変わるもの。美しさをキープするのは至難の業といえるでしょう。特にリビングでは植物単体ではなく2~3か所に高低差をつけたり、一か所に複数をかためてボリュームを出したりと、空間全体でバランスをとるほうが気分によって入れ替えもしやすく現実的です。
革のマラルンガソファセットにアルコのフロアスタンドを合わせたリビングシーンとラウンジスペース。従来のリビング家具でも、グリーンを取り入れたり、変形のオーダーラグや、壁面にはアートを配置することで、お部屋の印象を大きく変えることができます。
解説⑦
ホームオフィスでは“天然素材”を積極的に取り入れる
従来のオフィスとホームオフィスの主な違い――。それは素材です。一般的なオフィスでは敬遠されがちな天然素材を多用するのがホームオフィスの基本。この展示のようにデスクや棚など大きな家具に天然素材を使うとより贅沢なスペースになります。木やレザー、大理石などの小物を飾って自分らしさの演出も忘れずに。
デスク:POETIC SCAPE DESK/ フロアライト:DROP PAPER LAMP / シェルフ:ARASHIYAMA
リビングルームと緩やかに仕切られたホームオフィス。主に日本の天然素材が使用されているタイムアンドスタイルの商品でコーディネートされました。
解説⑧
インテリアの流行“ラウンドフォルム”のメリットは?
ここ数年、インテリアのトレンドとして注目されているのがラウンドしたフォルムの家具。そのメリットはいくつかあります。①空間のサイズや形に合わせて配置を微調整できる ②曲線は主に視覚や触感でリラックスできる ③①に関連して好みやライフスタイルの変化に合わせて買い替えしやすい。ラウンドスタイルの家具はますます増加中。注目です!
チェア:KEKKE LOUNGE CHAIR / ソファ:ELLA SOFA / テーブル:ODE COFFEE TABLE
ラウンド型のソファはレイアウトの自由度が高く、同じ場所にあっても少しソファの角度を変えるだけで視界がかわり、周りのゾーンとの繋がり方も変わります。リビングテーブルを囲んで、ソファの向かいに置かれているのはスピーカー。寛ぎながら最高のサウンドを楽しむレイアウトも可能です。
ラウンドフォルムのリビングシーンより流れるように配置されたフィリップ・ユーレルのダイニングセット。円形のダイニングテーブルは現代のミニマルな住居にもおすすめ。回転式のチェアは限られた空間でも機能的に活躍します。
リポート《前半》はこれにて終了。リアルにコーディネートされた空間を見ると、よりインテリアのイメージが湧きますね。次回の特集記事では、ダイニングシーンからご紹介します。ぜひお楽しみに!
『自分らしくインテリアを楽しむアイデア展』イベントページもぜひご覧ください。
コンフォートQでは、心地よい空間で暮らしたいと考える方に、理想のライフスタイルを実現するサポート「コーディネートサービス」を行っております。ご希望のカラーやお好みのインテリア、ライフスタイルやご予算など、経験豊富なスタッフがお客様のお話をじっくりお伺いし、お一人お一人のご要望に合ったご提案をいたします。