2023.10.24
2023年9月1日~9月26日までコンフォートQ阪急うめだ本店で開催された「北欧の照明と椅子展」にて展示された名作椅子の数々をご紹介します。
「ルイスポールセンと北欧の名作椅子が競演 Part.2」もあわせてご覧ください。
家で過ごす時間が長い北欧の暮らし。
人々はおのずとインテリアと向き合い、長く愛せるデザインとは何かを考えます。
そうして生まれた家具や照明は、シンプルでありながら機能的、そして何より暮らしを豊かにしてくれるインテリアとして
今では世界中の人々に愛されています。
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画像内の価格は記事掲載時点(2023年9月)の情報です。熊に抱かれているような心地良さ・・・
そんな体験は誰もしたことが無いはずなのに、そんな比喩で例えられるこの椅子には、どんな体系の人をも包み込む包容力があります。
正面を向いて座るだけでなく、斜めに掛け足を肘置きに掛けることで、よりリラックス感を得られます。
また腰を少し滑らせてスツールに足を上げて座るとリラックス度はマックスに。
椅子というより限りなくソファに近い椅子と言えるでしょう。
椅子の奥行きが95㎝と大きめなので搬入経路にはご注意下さい。
おばあさんが編み物をする椅子。
ロッキングチェアに持つイメージはそんな感じでしょうか。
おとぎ話にもよく登場する椅子だからかもしれません。
ロッキングチェアの多くは背面に背棒があるラダーバック式が多いですが、ウェグナーの椅子は編んだロープが背もたれになっている画期的なものでした。
軽やかで、かつ、もたれると紐のたわみで背中がフィットし身体を包み込んでくれます。
ロッキングチェアならではの1/f揺らぎはリラックス効果があると言われています。
まさに“うたた寝”必至の椅子。
木工家具職人であるウェグナーの作品の中で異彩を放つ1脚。
スチールとロープ。
その組み合わせからこの座り心地を生み出したウェグナーは、やはり人の身体を熟知し何が心地良いかを理解していたのだな、と改めて感じさせられる椅子。
木工職人という枠に囚われることなく、そして挑戦を恐れない職人魂は現代にまで名を遺す所以です。
金属のクールさとロープのワイルドなテイストは住空間のスパイスに。
別売りのシープスキンを置いて使うとインパクトは最大クラスに!
近年の家具のトレンドとして再燃している「籐」素材。
日本人にとっても馴染み深い素材のひとつだと思います。
ボーエ・モーエンセンというデンマークのデザイナーの作品ですが、北欧のナチュラルで優しいイメージとは逆に、直線的で凛とした表情を湛えています。
例えば、無機質なモダン建築空間においてはクラフトの温かみや味わいをプラスするアクセントチェアになりますし、日本の住宅であれば畳敷のお部屋で使うこともでき、和テイストにモダンをプラスしてくれる“差し色”ならぬ“差し椅子”として1脚いかがですか?
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人々の暮らしに寄り添い、奇をてらうことなく長く愛される家具作りを信念とするモーエンセンのデザイン。
1947年に発表されてから75年以上継続的に作り続けられていることが、この椅子を「不朽のデザイン」と言わしめた根拠とも言えるでしょう。
ご馳走は毎日食べると飽きますが、家庭料理は毎日食べても飽きない、という理屈と同じことがこの椅子にも言えるかもしれませんね。
どんな体形の人をもすんなりと受け入れる懐の深さも魅力のひとつです。
ウェグナーの作品の中では珍しい金属脚の椅子。
自宅用にデザインされたこの椅子はウェグナーの妻のお気に入りになるほどの座り心地。
女性の心を掴むものはヒットする、というセオリーは時代が変わっても変わらないものなのかもしれません。
背もたれ部分が腰と背中の間を支え、美しい姿勢を保ちながら座ることができます。
暮らしの中では重量が軽いというのも魅力のひとつ。
良い姿勢をキープできるので食事の椅子にも最適。
牛の角椅子。
デザインとネーミングの面白さとは裏腹にウェグナーの家具職人としての技術の高さを示した1脚。
2つの大きな無垢材を中央で接合し、背もたれとひじ掛けを一体化したコンパクトな椅子。
接合に使う“ほぞ“の色(材)を敢えて変えるという挑戦が今後の彼のトレードマークとも呼べるデザインとなりました。
椅子の全身はどの部分もすべて手作業により滑らかに削られており、ずっと触れていたくなる1脚。
流れるような曲線で構成される椅子。
そんな印象を受けるこの椅子は「家具の彫刻家」と言われるフィン・ユールの代表作のひとつ。
物が溢れる今の時代にも、このモダンで斬新、そして美しいデザインは私たちの心を掴んで放しません。
デザインだけでなく座ると吸い付くように身体にフィットし「椅子とはこうあるべき!」と叫んでしまうかもしれません。
計算しつくされた美しいフォルムと実用性の共存を叶えた名作椅子です。
是非お試し下さい。
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北欧の家具では珍しいワイヤーとレザーを組み合わせたチェア。
2014年に若き二人のデンマーク人自らデザイン・製作を手がけ、伝統的な馬具づくりと鉄工技術と最新のテクノロジーを駆使して生み出されました。
類稀なディテールへのこだわりと複雑な構造を持ちながら、洗練された見ため、表裏異なる厚みのアニリンレザー・フルグレインレザーに高密度のウレタンフォームを挟み込み、長時間座っても疲れない座り心地など、デンマーク家具の本質を見失わないクラフトマンシップを随所に見ることができます。
オーバーガード & ディルマンのセカンドコレクションである“サークルコレクション”の代表作。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」に見られる黄金比、古いコンパスから着想を得て生まれたコンセプチュアルなチェア。
他の家具に見ることができないAフレームの金具を中心として導き出された円弧によって描き出されました。
精緻なつくりであるだけなく、木・メタル・ファブリック/レザー・レザーコードのコンビネーションであらゆる空間に調和させることができます。
子熊を連想させる小ぶりな椅子。
コンパクトな姿からは想像できない座り心地。
北欧の椅子らしい硬さは長時間座ることを可能にしてくれます。
楽に座れる椅子は、腰に隙間ができないこと。
腰をしっかりと支えること。
この条件を子熊はしっかりと体現してくれます。
日本の住宅事情からも躊躇なく取り入れられるこのサイズも魅力のひとつ。
肘先の爪はパパベア同様、小さいながらもしっくりとホールドできるので、更に安定感のある掛け心地を生みます。
通称ママベアチェア。
母のように優しく女性らしいフォルムからその名がついたのでしょうか。
定かではありませんが、パパベアチェア(PP19)と比較すると、シート、背の厚みなど椅子全体が華奢な印象を受けることから、女性をイメージし“ママ”という発想になったのではないかと推測しています。
(あくまでも推測です。)
実際のサイズは少ししか変わりませんが、デザインでこんなにも印象が変わります。
圧迫感が少なく軽やかなチェアは日本の住空間にも馴染みやすい1脚です。
ウイスキーを傾けながらアートを鑑賞する為の椅子。
なんと贅沢な椅子なのでしょう。
現代人にとってはそんな時間は皆無、という人も多いのでは?
時間の流れも比較的のんびりしていた当時でも贅沢なコンセプトに批判が殺到したそう。
その為製品化はならず。
しかしそんな風評になど耳を貸さないフィン・ユールは自らの思いをデザインに込めました。
その気概がこの椅子を現代に蘇らせ、忙しい現代人への戒めのようにこの椅子が復活したのかもしれません。
どうぞ皆さまゆっくりとした時間をこの椅子と共にお過ごしください。
ウイスキーもご一緒に。
ペリカンチェア。
私たちの暮らしに馴染みのない鳥の名。
しかしこの椅子を見れば一目瞭然。
そしていかにも羽を広げて水辺を歩いているような風貌に見入ってしまいます。
こんな椅子ははじめて見た、という方も多いかも知れませんね。
「家具の彫刻家」と言われるフィン・ユールの代名詞のような1脚。
丸みを帯びた背もたれは見ても良し、座っても良しの椅子の優等生です。
斜めに座ると背中を羽に抱かれリラックスして眠れます。
是非一度お試し下さい。
背もたれにボタンを付けないタイプもございます。
スーパーシンプルな椅子。
クールな外見は無駄をすべて削り落とし、座る人のことだけを考えつくし到達した頂点のかたち。
鉄と革からなるこの椅子は、座面がやや低めになっている為、座ると視線も低くなることから、より安定感を感じリラックスして座ることができます。
シンプルなデザインはあらゆる空間に馴染む特性があり、特に和の空間に入れることでひときわ静謐な雰囲気を作り出します。
北欧と和の調和をお楽しみいただきたい1脚です。
革張りのほか籐素材もございます。
背もたれの三日月が印象的な椅子。
シェーカー家具を彷彿とさせるデザインですが、脚の側面に入った斜めの抜きがデザインに個性を与えています。
背もたれは背中にフィットし木とは思えないほどの心地よさ。
直線と曲線が響き合うデザインはデスクやダイニングテーブルと。
オブジェのように1脚だけをお部屋の隅に置いても絵になる1脚。
肘無しもございます。
読書用にも使えるダイニングチェア。
ただし、一般的に椅子は正面を向いて座るものですが、この椅子は後ろ向きに座って快適に本が読める、というフィン・ユールならではのコンセプトから生まれました。
私たち日本人は椅子に後ろ向きに座る行為はあまりしませんが、フィン・ユールは座り方は自由であり、かつどんな体勢でも快適に使えるということが重要でした。
肘を置くための笠木がこの椅子に個性を与え、まっすぐに伸びる4本の脚がスッキリとした印象です。
Reading(読書)という名前通り聡明で凛とした表情のある1脚。