INTERIOR

2023.01.17

フジエテキスタイルを支えるデザインと技とは


《 創業130年 》

フジエテキスタイルの歴史は、意外なことに京都西陣から始まります。
1885年、西陣で織物製造業を興した冨士榮今市氏は戦後、拠点を東京に移します。
自身の審美眼にかなう上質な生地を提供することにこだわった冨士榮良治氏は、それまで続いていた和文化から洋風文化に対応したものづくりを始め、またテキスタイルデザイナーの粟辻博氏との運命的な出会いを果たし、日本のインテリアテキスタイルに“デザイン”という概念をもたらしました。

フジエテキスタイルを支えるデザインと技《デザイナーとのコラボレーション》

《 デザイナーとのコラボレーション 》

「シンプル&モダン」。フジエテキスタイルのコンセプトです。
1000点を超える商品はすべてこの2つのキーワードをもとに展開されていますが、それはデザイナーとのコラボレーション作品にも共通しています。

フジエテキスタイルでは新しいファブリックが作られるとき、1品番につき担当が1人つき最初から最後まで、その担当の元で製品化されます。
デザインはすべて自社で行うというこだわりのもと、デザイナーの提案するデザインがフジエの掲げる「シンプル」「モダン」のコンセプトから大きく外れることのないよう、あくまでも「コラボレーション」として共に生地を創り出していくためです。
それもこれも、創業時から続く「良いものを追求し、なければ一から作る」という原点を大切にしているからこそのモノ作りのプロセスなのです。

[ グラスガーデン ]

グラフィックアーティスト牧かほり氏とのコラボレーション作品である「グラスガーデン」。
牧氏らしいボタニカルなデザインは、バーンナウトプリントという特殊技法をもちいたもの。
特殊な溶剤で絵柄部分を溶かし、模様を浮かび上がらせます。
また、このように薄く仕上げられた透過性のある防炎レースに着色をする技術を持ち合わせているのが、なんと日本に1社のみ。もちろん世界中にも類のない技術です。

その他の牧かほり氏コラボレーション作品はこちら
https://www.fujie-textile.co.jp/collaborators/Kahori_Maki.html

フジエテキスタイルのコラボレーションアーティスト一覧
https://www.fujie-textile.co.jp/collaborators.html

フジエテキスタイルを支えるデザインと技_グラスガーデン
フジエテキスタイルを支えるデザインと技_グラスガーデン

《 職人技が生み出すオリジナルファブリック 》

フジエテキスタイルには前章の“グラスガーデン”はじめ、職人の手技がさえる作品が多く見られます。ひとつひとつ手作業で仕上げられていくファブリックは、職人の手が届く範囲の狭幅のものになります。 そんな素晴らしい職人技を作品に取り入れられるのも、創業時からのこだわりに裏打ちされた信頼関係のおかげです。 「ここなら安心して任せられる」。お互いにそのような思いを持つからこそのデザインです。

[ アワモク ]

京都の職人技がひかる逸品。
生地には無数の凹凸が見られ、墨汁がしたたったようなにじみ模様が特徴です。
ドット柄のように見える部分は立体的になっており、熱収縮させ生地を縮ませることで独特の質感を表現しています。

生地詳細

フジエテキスタイルを支えるデザインと技_アワモク

[ タユタイ ]

合わせになっている布の表の1枚を、これまた職人の技術でカットしてできた「タユタイ」。
一見するとシンプルなウェーブ模様ですが、カットされた布がフリンジのように浮き立っており、見る角度によって表情が変わります。
こちらもドレス生地を扱う機屋で作られており、職人の技があってこそ、この緻密なカットはデザインとして成立します。
(取り扱い中止、参考商品)

フジエテキスタイルを支えるデザインと技_タユタイ

[ カゲコウシ ]

和紙の質感が印象的な「カゲコウシ」は、オーガンジーのファブリックの上に和紙を施したデザイン。格子模様と相まって、障子を思い起こさせるような柔らかさのあるレース生地です。
また和紙の格子模様は、バーンナウトプリントの技法であえて不均一な表現をしています。格子というシャープなモチーフと温かみや不揃いさという相反する要素が、この生地の魅力なのかもしれません。
(取り扱い中止、参考商品)

フジエテキスタイルを支えるデザインと技_カゲコウシ

[ シブキ ]

なんとも大胆な筆の動きを思わせる「シブキ」。型染めやろうけつ染めのように、色の染まってほしくない部分に防染のりを置き、その上から紺色の染料で染め上げます。
藍染のような雰囲気のファブリックは、現代の日本の住まいに和洋問わずフィットすること間違いなしです。

生地詳細

フジエテキスタイルを支えるデザインと技_シブキ

こだわりの詰まったカーテンファブリックがあるということに驚いた方も多いのではないでしょうか。
フジエテキスタイルは創業当時の想いを大切に、それでありながら日常生活に取り入れてもらえるファブリックを目指して、毎シーズンオリジナリティー溢れるデザイン開発に取り組んでいるのです。

取材協力

フジエテキスタイルショールーム 大阪
大阪府大阪市中央区南本町4-1-10 DPスクエア本町1F
TEL : 06-6120-3000
営業時間 10:00~18:00(完全予約制)
定休日 日曜・祝日
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