INTERIOR

2022.11.15

木のはなし② 木目編


木と木目の切っても切れない関係。
木製の家具を検討するとき、理解しておかなければならないのが「木目」です。木の個性であって、その木ががんばって生きてきた証。
日本人はどうしても「すっきりとした癖のない木目」を好むため、さまざまな木目の個性を無下にしがちです。
でも、その木目ができたバックグラウンドを知れば、むしろそのオンリーワンな表情に愛着がわくことでしょう。
目にすることの多い木目を3種、ご紹介いたします。

《 虎斑 》

別名「シルバーグレイン」とも呼ばれる木目で、その名の通り銀色にツヤツヤと輝きます。オーク材によく見られ、着色をしたものではまた違う表情となります。

(左)オーク材のダイニングテーブル天板にある虎斑。見る角度によって銀色にキラキラと輝く。
(右)トラフのあるダイニングテーブルに着色を施したもの。虎斑とそうでないところで色の乗り方が違うため、より重厚感のある「虎柄」を味わえる。

オークの木は「木のはなし 樹種編」でもお伝えした通り、葉をたくさんつけ横に大きく広がり、強い風に耐えながら成長していきます。
そして倒れまいとどんどん強度を増していきます。まさにその強度を増すための細胞=虎斑なのです。
ちなみに、虎斑が多く入った部分とそうでない部分、力を加えると圧倒的に虎斑の多い部分のほうの強度が高かったというデータも。
また、かの有名な建築家Frank Lloyd Wright(フランク ロイド ライト、1867-1959)は、この虎斑を珍重し、好んで家屋や家具に用いたとも言われています。
個性的な見た目、強度、ともに家具にぴったりな材といえます。

オーク無垢材の断面を見てみると、木目と重なるように白い筋が見える。これが虎斑の層。
成型していく過程でこの筋が表面にでると、虎斑が現れる。

《 縮み杢 》

木に、何らかの原因で負荷がかかってしまった時にでる木目です。
風の影響、もしくは人為的な原因で木が斜めに傾くことがあります。ですが、木は素直に真っすぐ上に成長しようとします。そういった負荷がかかったときに現れるのが「縮み杢」です。
この杢は栃の木で見られるものが有名ですが、環境要因で現れるのでさまざまな樹種で見られます。陰影が美しく、塗装の種類によっては、サテン生地のような風合いに見えることも。

(左)写真中央に見られる波のような木目が縮み杢。木の成長時にできることもあれば、製品に仕上げる際、曲木などを行ったことで現れる場合もある。
(右)背板を曲木で作るときにあらわれた縮み杢。

《 鳥眼杢 》

「バーズアイ」とも呼ばれるこの木目は、カエデ(メープル)によく見られます。
実はこの木目、枝が落ちたあとが残ったものなのです。
広葉樹は枝をたくさんつけて大きくなりますから、カエデに限らずいろいろな樹種でよく見られる木目と言えます。
枝をつけてそのまま成長することもあれば、枝を落として別の場所から違う枝を生やそうとすることもあります。そうやって枝の跡として残ったものが、くりっと丸い「鳥眼杢」となります。

《 無垢と突板 》

いままでご紹介してきた木目は無垢材で特によく見られます。
無垢材というのは、木から厚みを残しながら板状に切り出したもの。上から見た木目と横から見た断面の木目がつながっています。木の表情がしっかり出て、唯一無二の木目を味わえます。
その分様々な木目が現れますから、それを木の個性・表情として楽しめるインテリアにおすすめです。

一方で、突板は木をスライスして仕上げたもの。厚みはブランドによって差がありますが、0.2mmほどの薄突きと呼ばれるものから、2.0mmの厚突きまでさまざまです。
家具には0.2~0.6mmあたりを用いることが一般的です。
突板はほぼ同じ木目をたくさん取ることができるため、張り合わせた時に美しく、均整の取れた仕上がりになります。

(左)ウォールナットの無垢板。天板面から側面まで、木目が一続きになっている。重厚感があり、朴訥なイメージ。
(右)ウォールナットの突板。天板と側面がつながっていない、それぞれ別のものをはりあわせている。スッキリとシンプルなイメージ。

日本では素材自体、つまり無垢材・一枚板に価値があるという意識が根強く、無垢材信仰ともいえる風潮が随所に見られます。昔の家屋などを見ても、大国柱や梁はだいたいが立派な丸太です。これが富と権力の象徴だったのです。
逆に、歴史的にデザイン性を重視してきた欧米では突板が多く使用され、素材そのものよりできあがった家具としての価値を重視します。
イタリアやフランスからのデザイナーズ家具は、突板で作られているものが多く見られます。
文化的な違いで好みはあるものの、これらに優劣はありません。
好きな質感、デザイン、手触り。思い思いに木を楽しんで、そして愛着を持って接することがわたしたちと家具にとっての一番の幸せになるのです。

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