LIFESTYLE

2022.09.27

フィスバこだわりのファブリックを知る
クリスチャン・フィッシュバッハvol.1

《 ヒストリー 》

フィスバこだわりのファブリックを知る_クリスチャン・フィッシュバッハ

1803年、スイスに生を受けたクリスチャン・フィッシュバッハ。彼はなんと16歳の若さで事業を立ち上げました。当時、冬季のスイスは産業に乏しく、特に農家は収入を得にくい状況でした。そのような仕事の閑散期に、農家の婦人たちによって作られる刺繡入りのコットンの布を買い集めたクリスチャン・フィッシュバッハは、サンガレンの街のマーケットでそれらを売り始めます。

このスイス・ファブリック発祥の地サンガレンは、その後彼の起こす会社の拠点となります。澄んだ空気と清流に恵まれたこの街ではもともと紡績業が発達しており、彼はサンガレンで個々に活動していたハンドクラフトメーカーを束ね、海外展開への礎を創りました。

フィスバこだわりのファブリックを知る_クリスチャン・フィッシュバッハ

スイス、サンガレンの街並み。美しい水に恵まれた街だ。

クリスチャン・フィッシュバッハのテキスタイルの地位を確固たるものにしたのが、第二次世界大戦後のヨーロッパを中心としたオートクチュールコレクションでした。
ハイクオリティーでデザイン性の高いファブリックは、さまざまなメゾンから熱望されアパレルテキスタイルとして大きく発展していきます。

オートクチュール界との深い結びつきがあったからこそ、現在のクリスチャン・フィッシュバッハのベッドリネン類は、他社と一線を画すデザイン性に富んだアイテムラインアップなのです。

1819年から6代にわたるファミリーカンパニーであるクリスチャン・フィッシュバッハ。創業時から、変わらぬブランドに対する哲学が受け継がれています。
現在のCEOである、6代目マイケル・フィッシュバッハ氏は7か国語を操るマルチリンガル。日本語も流暢で、スタッフからの意見を直接聞き、その意見をアイテムへ取り入れることもあるとのこと。
そういったところからも、デザインやアイテムに対する熱い思いを感じられます。

フィスバこだわりのファブリックを知る_クリスチャン・フィッシュバッハ

現在のCEO、6代目マイケル・フィッシュバッハ氏。

《 ヨーロッパのリネン文化 》

わたしたち日本人は「リネン」ときいて何を思い浮かべるでしょうか? 旅先のホテルで見かけるパリッと美しく整えられたリネン?文字通り、麻の寝具?
本来ベッド周りを設えるアイテム一式を総じて「リネン」と呼ぶはず。なぜか日本では、私たち自身のベッド周りと先ほどイメージした「リネン」を区別してしまうようです。
なぜわたしたちは自身のベッドルームの設えに、こんなにも思い入れがないのでしょうか。

ヨーロッパでは古くからの慣習で、お嫁入りにリネンを持っていきます。
日本と違い、古い家や家具を直して使い続ける文化のあるヨーロッパでは、家具はすでにそこにあるもの。お嫁入りで新しくすることはありません。
その代わりに新しく持っていくのがリネンなのです。
娘が嫁ぎ先で良い待遇を受けられるように、良い家から来てくれたと思ってもらえるように。一家総出で上質なホワイトの布地を用意、そこに家紋や名前の刺繍を施していきます。

フィスバこだわりのファブリックを知る_クリスチャン・フィッシュバッハ

当時は花嫁側がリネンのほかに持参金なども用意したが、いまではそのような慣習はほとんど残っていない。

一世一代の大仕事をリネンが請け負うわけですから、やはり思い入れが違います。
どれほどに素晴らしいものが用意できるかが娘の幸せに関わるのですから。

少し大げさに聞こえますが、19世紀から20世紀初めのヨーロッパではこれが当たり前の風習でした。
考えてみれば、日本でもお嫁入りには桐のタンス持っていく慣習があります。こちらも思いは一緒。娘に嫁ぎ先で幸せになってほしい、着るものに困らない生活をしてほしい。そんな親心から、良い桐タンスを持っていかせるのです。

これほどまでに重きを置いているベッドリネンのことですから、デザイン・クオリティ共に発達しないわけがありません。
また、日本ではベッドルームはあくまでもプライベートな空間ですが、ヨーロッパでは第二のリビングのような役割を果たします。
例えば、ヨーロッパで頻繁に行われるホームパーティ。友人らを招いて食事や団らんを楽しむわけですが、この時に家じゅうを紹介して回るのです。
今回のイメージは…この素材にこだわって…など、自慢の寝室とリネンの設えをここぞとばかりに紹介します。

それを見た友人は、さらに自分が主催のホームパーティでは友人に負けじと良いコーディネートを考え…、寝室やリネンのコーディネートには余念がありません。

フィスバこだわりのファブリックを知る_クリスチャン・フィッシュバッハ

このようにヨーロッパではベッドルームは比較的オープンな空間で、見せることを意識したインテリアが求められます
一方で日本は、寝室に他人を招き入れることに嫌悪感を抱く人も少なくないはず。家の中でもプライベート性の高い空間です。
つまり人目に触れる機会のほとんどないベッドルーム、ベッドリネンにこだわるというのは、あくまでも自己満足であるということ。そこにデザイン性を求める人が少ない理由はそのためです。

日本の文化とヨーロッパの文化。どちらが良い悪いはありません。ベッドルームをオープンにする必要もありません。ただ、美しく発達したリネンをいつもの暮らしに取り入れ、少し色どりを添えてみるのはいかがでしょうか。

次回はクリスチャン・フィッシュバッハのリネンへのこだわりをご紹介していきます。

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フィスバこだわりのファブリックを知る クリスチャン・フィッシュバッハ(全3回)

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