スタイルブック
最小限にして美と機能性を獲得した完璧な椅子
2020.12.1
伝統的な職人技である籐編みと工業的な手法や素材を組み合わせた、巨匠マルセル・ブロイヤーの名作。愛娘の名前から《チェスカチェア》と名付けられました。自転車のハンドルから着想したというスチールパイプを曲げたフレームは、カンティレバー(片持ち)にすることで柔軟性のある快適さを実現。芸術と産業が調和したモダンデザインのアイコンのひとつです。
POINT 1
Saarinen Collection Round Tables
20世紀を代表するプロダクトデザイナーのひとり、〈エーロ・サーリネン〉はテーブルや椅子の下のごちゃごちゃと混乱して落ち着かない様子を解決すべく、この1本脚が特徴のラウンドテーブルをデザインしました。モダンデザインの集大成ともいえるこのテーブルは、リビングに時代の流れを感じさせないアクセントを付け加えてくれます。
SAARINEN ROUND TABLES
Knoll / ノル
テーブル
449,900円〜
POINT 2
Cesca Chair
バウハウスのデザインを語るうえで外すことのできない名作椅子、それが《チェスカチェア》です。その名は作者〈マルセル・ブロイヤー〉の娘、フランチェスカ嬢の名前から取ったというのは有名な話。しかしながら、これがブロイヤーの椅子だときちんと評価されるまでの紆余曲折を知っている人は少ないのではないのでしょうか。
同じカンティレバー(片持ち椅子)のデザインで有名な〈マルト・スタム〉。彼との訴訟で負けてしまったチェスカチェアは、残念ながら「スタムデザインの模倣」という評価を受けたのです。
現在はブロイヤー作品として広く知られることになりましたが、そんな経緯を知っていてもそうでなくても、この椅子のデザインが美しく心地の良いものである事実は変わらないのです。
CESCA CHAIR WITH ARM
Knoll / ノル
チェア
198,000円〜
POINT 3
Kabuki
カブキは糸を紡いで作られるレース生地のような独自形状のフロアランプです。
レースの穴を通して直接届く光と、製品越しの穏やかに拡散する光が合わさり、周囲を美しく照らします。
ひとつひとつ手間を掛けた職人技のように見えるこの形状も、実はインジェクションモールディング(射出成形)によって作られています。
独特の編み物のようなデザインは、デザイナー〈フェルーチョ・ラヴィアーニ〉が構造とデザインの両方を研究していた成果でしょう。かなり大ぶりなサイズ感ながら、安定感のある作りで空間の印象を左右する重要なポジションになるランプといえます。
POINT 4
Prado
このソファを初めて見るとき、十中八九、こう思うはず。
「ベッド…?」
座布団やこたつでくつろぐ生活がいつしかソファでくつろぐ生活へ。
そして、ソファは壁際に置いて対面にはテレビ、の方程式が、マンションの間取りに合わせてソファが部屋の真ん中にくることが当たり前に…
生活様式というのは時代に合わせて変化するものです。Pradoはそんな変化に柔軟に対応しうるポテンシャルを持ち合わせています。多様性という言葉が大きく取り上げられる今の時代、一つのことにこだわりすぎる必要はないのです。
ROSETPRADO
ligne roset / リーン・ロゼ
ソファ
594,000円〜