INTERIOR

2024.03.11

上質な現代キリム『ROGOBA KILIM(ロゴバキリム)』を紐解く

アイテムカテゴリ ラグ

キリムの中でも、遊牧民の優れた伝統の継承にこだわりながら、現代のインテリアにも合うデザインに昇華されたロゴバキリム。すべてが良質な一点ものです。今記事ではROGOBA KILIM(ロゴバキリム)の魅力をご紹介します。

文様

皆さまがキリムをご覧になった際、一番に目に飛び込んでくるのはキリムに織り込まれている柄(文様)ではないでしょうか。ロゴバキリムの文様はシンプルですが、長く愛されてきた伝統柄。様々なデザインの中から一部をご紹介します。


Saff(サッフ)

ロゴバキリム_rogobakilim サッフ_saff キリムのある暮らし キリム好き キリム_文様

「幸せのありかを示す矢印の集まり」
人々を幸せな方向に導く伝統的な文様です。
遊牧民にとって進むべき方向や、幸せが見つかる方向を知っていることはとても重要なこと。一番人気の文様です。


Tents(テント)

ロゴバキリム_rogobakilim テント_tents キリムのある暮らし キリム好きキリム_文様

「草原の中のテント」
遊牧民にとって生活を表すテント。豊かな草原の中で送る平和な遊牧生活を願って生まれた文様です。美しい色合いが草原に吹く風を感じさせます。シンプルなデザインなのでファーストキリムにもおすすめです。


Hand(ハンド)

ロゴバキリム_rogobakilim ハンド_hand キリムのある暮らし キリム好きキリム_文様

「生活の安全を守る手と、子孫繁栄を願う」
織り手の性格や好みによって、シャープな手からふくよかな手まで、個性が見えやすいハンド柄。並んだ沢山の手は、子孫繁栄を願っています。こちらにはテント柄も織り込まれていますね。


Flying Birds(フライングバード)

ロゴバキリム_rogobakilim フライングバード_flyingbird キリムのある暮らし キリム好きキリム_文様

「幸せを見つけ、幸運をもたらす」
木の実を求めて空を飛んでいく鳥が教えてくれるのは、水と草木が繁茂する場所。素敵な意味を持つ遊牧民が好んで織り続けてきた文様です。シンプルなものからカラフルなものまで、唯一無二の文様を見つけてください。


Rich Ground & Rich Water(リッチグラウンド&リッチウォーター)

ロゴバキリム_rogobakilim リッチグラウンドリッチウォーター_richgroundrichwater キリムのある暮らし キリム好きキリム_文様

「豊かな草原と水が豊富に存在する土地」
水平線の集まりは豊かな草原や豊かな丘を、波の曲線は大地に豊かな水があることを表現しています。


Eagle(イーグル)

ロゴバキリム_rogobakilim イーグル_eagle キリムのある暮らし キリム好きキリム_文様

「家畜の安全を願う」
大切な家畜に空から襲い掛かる鷲が描かれています。同時に勝利や成功、繁栄を願う意味もありました。現在はこちらの意味で気に入ってくださる方が多いようです。


6つの文様をご紹介いたしましたが、皆さまのお気に入りはありましたか?
これらの文様は親から子へ代々受け継がれていくものであり、願いであり、流行でもあります。同じ意味を持つ文様であっても、時代や部族の違いによって文様の形は変化してきました。文様には織り手それぞれの物語があるのです。


ROGOBA KILIMができるまで

ROGOBA KILIMと3大要素

ロゴバはキリムの価値や伝統を守るため、手法を正しく受け継ぐ人々によって、現在では非常に珍しい三大要素「素朴な手紡ぎ・天然染料・優れた織り手」を忠実に守っています。では、上質なロゴバキリムはどのようにして生まれるのでしょうか?

ウール(羊や山羊などの毛)を原料としているキリム。比較的高度が高く冬が寒い地域で暮らしている羊の毛は丈夫で弾力があります。

羊_sheep ウール_wool_羊の毛_羊毛 キリムのある暮らし_キリム好き

冬を過ごした後に刈られる毛は柔らかく上質。ロゴバキリムには、毛の繊維が長く、つやがあり、しなやかな高品質のウールが使用されます。

遊牧民の後を追う羊の群れ


1.素朴な手紡ぎ

キリムのある暮らし_キリム好き 糸紡ぎ_手紡ぎ キリムの紡ぎ手_アブラッシュ

刈り取られた毛を綺麗に洗浄した後は、糸に紡いでいきます。
遊牧民が代々用いている糸紡ぎ用のコマを使い、回転させながら糸を巻き取ります。この回転スピードの絶妙な違いによって糸の太さに自然なゆらぎを生み、織り上がったキリムに独特の風合いをもたらします。

使い込まれた円錐形のコマを回し糸を紡ぐ紡ぎ手の女性


2.天然染料

豊かな大地を思わせる赤、水や空を思わせる青。豊かで自然な色合いはキリムの魅力のひとつ。遊牧民は生活の中で身近にあった植物や鉱物などを組み合わせて染料とし、糸を染め上げてきました。ロゴバキリムと認定されるものは、草木染めされた糸だけを使用しています。


3.優れた織り手

キリムのある暮らし_キリム好き キリムの織り手_アブラッシュ ハタ_垂直機

垂直機(ハタ)の前に座る織り手


遊牧民のキリムの技術は母から娘へと代々受け継がれてきたもの。縦糸を張ったハタを使い、色とりどりの横糸を手で織り込んでいきます。おおらかな感性で織り上げられるキリムはまるで絵画。キリムに風合いを与えるアブラッシュは、織り手のセンスに大きく左右されます。


偶然と感性のABRASH(アブラッシュ)

キリムを語る上でなくてはならいのがアブラッシュ。糸の太さや色の濃淡の違いによって生まれる織りの表情のことを指します。現代ではキリムの価値を決める非常に大切な要素です。記事内に使用している作品画像すべてにアブラッシュは見て取れます。

ロゴバキリム_rogobakilimキリムのある暮らし_キリム好き アブラッシュ_abrash

糸の太さと色合いの違いにアブラッシュを確認できる

織り手たちは遊牧生活の中で、必要最低限の糸しか染めません。キリムを織っている途中で糸が無くなると新たに糸を染め直すのです。ですが、自然の中での作業は、同じ材料を使ったとしても、染める環境(気候や温度)によって色の違いが出てきます。
手紡ぎだからこそ糸の太さにも差が生まれ、自然の中で糸を染めるからこそ色にも変化が生まれる。それさえも楽しんで織ろうとした遊牧民のセンスがアブラッシュとして現れます。


こうして長い工程を経て織り上がったキリムは、長く美しく使っていただくために専門家によって整えられ、より質の高い作品となって皆さまのもとへ届きます。

キリムに描かれる美しい色彩や素朴なデザインは、それぞれ織り手の心が投影されたもの。草木や大地、太陽や水といった自然の恵み、日々の暮らしの安全や安心を願う気持ち。その豊かな感性は、現代の暮らしにおいても新鮮であり、私たちの生活に温かみと彩りを添えてくれます。



取材協力

[ROGOBA] ART ON INTERIOR_Osaka
大阪市中央区谷町3-1-24 エルデ大手前1F
TEL:06-6944-8111
営業時間:10:00~18:00 (火曜・水曜定休)

アクセスはこちら

この記事についてご相談・ご質問等がございましたら
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
コンフォートQ店舗では、様々なアイテムを取り揃えております。
是非、店舗へお越しください。
コンフォートQメンバーズ(オンライン会員)になると、詳しいお問い合わせや来店予約などが可能です。
是非、ご登録ください。